休職中に薬を使うかどうか、どの薬をどう使うかは、人によって全く違います。
私は2回の休職を経験し、1回目は「ジェイゾロフト」を毎日飲み、2回目は「プロゼパム」と「エスタロプラム」を頓服的に使いました。その体験を通して感じた、薬の違いと付き合い方についてまとめます。
適応障害=環境を変えるのが最善の治療
まず、1回目の休職も、2回目の休職も、クリニックで初回に言われるのは、

適応障害は、環境を変えることが一番の最善策です。
と言われます。
しかし、それで「そうですか。」と転職に踏み切れることもあれば、そうはいかないこともあると思います。
大前提として、どこまでその環境を自分自身で勝ち取るか、行動するのは自分です。



みんなこちらが病気だと思うとやんわりした慰めや応援しかしてきませんが、体験者としてあえて言います。
転職や異動もひとつの行動ですし、適応障害に至った理由や自分のことや周囲のこと・・・
考えることもやることもけっこうあります。
薬はそれをするために体調を整えたり気分を落ち着かせたりして、
前に進む自分を補佐してくれるような存在、だと思います。
薬を飲んだから環境が変わるわけでもないし、
体調が上向いたからと言って人間関係を上手くこなせたり解決に導かれるわけではありません。
その上で、私があまり期待しないで薬を服用していた、というお話をしますね。
適応障害での休職中、私が服用した薬 それぞれの違い。
【1回目の休職・38歳】ジェイゾロフト(SSRI系抗うつ薬)を使用
- 気分の土台を整える長期戦タイプ
- 効果は2〜4週間後に出る(即効性なし)
- 依存性はなく、長期で安心して使える
【私の体験】
1回目の休職で処方されたジェイゾロフト。
このときの休職はもう退職を決めており、迷う選択肢も無かったため、とにかく言われるまま薬を飲んで気分が落ち着くのを待ちました。
即効性は無く、すぐに体調や気分が良くなりはしなかったものの、2、3週間経ったあたりからラクになり、1ヶ月過ぎたら元気になったと感じました。
家族と過ごしたり友達と過ごすことを楽しみながら転職活動ののち、休職3ヶ月目で晴れて転職。
薬が私に合ってたのか、転職するほかに選択肢が無く迷うことが無かったためか、思いのほか早く立ち直ることができました。



2ヶ月目から意欲がわいてきて、社会復帰に向けて心の勉強に転職活動に、さっさと動けました。
【2回目の休職・42歳】を使用
♢プロマゼパム(ベンゾジアゼピン系抗不安薬)
- 即効性があって不安や緊張をすぐ抑えてくれる。
- ただし依存や耐性が出やすいから、短期間の使用が多い。
- 「とりあえず今つらい症状を和らげるため」に最初に処方されることがある。
♢エスシタロプラム(レクサプロ、SSRI抗うつ薬)
- 根本的に気分を安定させる治療薬。
- 効果が出るまでに2〜4週間かかる。
- 長期的にうつや不安の再発を防ぐのが目的。
【私の体験談】
1回目に比べて、「今後、復職か転職、どちらにするか?」という悩みを抱えていたので、
自身の今後の不安からくる迷いや憂鬱が大きかったと思います。
そこで、まず即効性のあるプロマゼパムで不安を取り除き、一時的に落ち着きたいときだけ服用するよう言われました。
しかし本当に一瞬しかラクにならず、憂鬱な気分はずっとあったので、2ヶ月目に相談して処方されたのがエスシタロプラム。
1回目と同じ路線である『SSRI抗うつ薬』、効果まで数週間要するけど気分の安定を目指す薬です。これは私によく効きました。
2ヶ月くらい飲んだら気分は安定し、



ここからは自分で色々考えるフェーズなので、薬やめようかと思います。



いいね!必要以上に飲むことは無いから、やめよう!
ということで、休職から約3ヶ月で今回も薬は止めました。
そのあとは心の整理と次の環境への道筋を考える番でした。
とはいえ、ときどき辛く感じて薬をまた始めようかと主治医に相談したこともありましたが、
厳しめの先生だったので、



ダメだよ薬は要らないよ、それよりも、考えて状況の解決に繋げるとこだよ
と言われてしまい、幸か不幸か、薬に頼れなくなりました。
ちなみに、よく言われる『頓服』とは?
- 「薬の種類」ではなく「飲み方」を指す言葉
- 必要なときだけ飲む使い方
- 不安や不眠などの“レスキュー用”
抗うつ薬・抗不安薬をのむことのメリット・デメリット
✅ メリット
- 気分の落ち込みや不安を和らげ、日常生活を立て直しやすくなる
- 不眠・食欲不振・動悸など、体に出る症状も改善しやすい
- 長期的には再発を防ぐ効果もある
⚠️ デメリット
- 効果が出るまで時間がかかることがある(抗うつ薬は2〜4週間)
- 吐き気・眠気・体重変化など副作用が出る場合がある
- 抗不安薬は即効性がある一方で、長期使用すると依存や効きにくさのリスクがある
👉 ポイントは「薬は症状を和らげるサポート役であり、根本治療は休養や生活リズムの改善、カウンセリングとあわせて行うことが大切」です。
まとめ
薬は適応障害などの精神疾患に必要なものではあると思います。
病は気から!なんて言うつもりは無いし、補助としてしっかり使うときは使うで良いという考えです。
しかし、薬を飲む=自分の体調にばかり目が向きやすい人というのもいるそうです。
毎日の体調の細かい変化を追いかけすぎて、そこから脱出できなくなって人。
はじめでお話したように、薬は環境や人生を飲むだけで解決する万能薬ではありません。
ほどほどに体調が悪くないと感じる日があれば、心の整理や新しい環境への準備を少しずつでも進めることがおすすめです。







