復職の条件は“転勤”?マネージャーから提案されたリアルな体験

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はじめに


休職から復職するというのは、とても大きな決断です。

私が休職に至った背景は、仕事そのものよりも人間関係や精神的な負担が大きかったことでした。

毎日の接客や業務は好きでしたが、私にだけ態度を変える人がいて、上司に相談しても「まさかあの人がそんなわけ・・・」と言われてしまい、誰にも解ってもらえず心が追い詰められていったのです。

心や体を壊して一度職場を離れた経験がある人にとって、もう一度同じ職場に戻ることには大きな不安がつきまといます。私もその一人でした。

それでも「今まで頑張ってここまでキャリアを積み上げた。今ここで脱落するわけにはいかない。」という気持ちが強くなり、復職を決意しました。

復職面談の場で「どんなことも受け入れます」と覚悟を示したのですが、そのときにマネージャーから提案されたのは思いもよらない“転勤”でした。

この記事では、私が復職を選んだ理由、転勤を提案されたときの気持ち、そして実際に受け入れたことで得られたものをお話しします。


休職延長や転職ではなくて、復職を選んだ理由

一般的に適応障害ですと3ヶ月~半年で緩和されるということで、『改善するのを待つ』というよりは、自らも半年あたりでの社会復帰を目指していました。

あくまでも私の認識ですが、

3ヶ月で徹底的に休み(体も頭も休めて何よりも体調最優先)その後2ヶ月で歩き出し、(身の回りの出来ることをやる。仕事以外は通常運転に戻す努力をして社会復帰の方向性を想像する)その後2ヶ月で歩き出し、(身の回りの出来ることをやる。仕事以外は通常運転に戻す努力をして社会復帰の方向性を想像する)

・・などざっくりとおおまかな時期を決めて過ごしていました。

ですから、休職延長は『出来るけど、したくない』という気持ちでした。

少々辛辣ですが、休職してれば誰もが「ゆっくりして」とか、「体調優先で」と言ってくれます。でも、それっていつまでとは誰も言いません。

『休職』という守られた環境にいるうちに、いかに自分でゴールを強く決めて行動するか、そこが自分を含め、社会復帰した人とそうでない人の大きな差であるように感じます。

休職延長という選択肢は保険として持っておいた上で、

私が転職より復職を選んだ理由は大きく分けて2つあります。

①転職活動に苦戦したから

休職に至ってしまった、ということはもう仕方がない事です。

しかしやはり日本は「一度脱落したらやり直しがきかない」と言われるように、一ヶ月でも早く、社会に出たいという気持ちが強くなりました。

私は20年以上アパレルのキャリアを積んできて実績もあります。正直、30代の転職は自分にとって楽勝でした。

しかし自分を客観視したときに、もう43歳で、それでいて求める給料は高い(下げたくない)という、一見、我儘な人ではあります。それが休職中から前職以上の給料や条件を望むことがどんなに難しいかはご理解いただけると思います。

企業としては簡単に使える人材ではない、けど『上手く使えば大きな効果を生む人材』という自負もあり、ここで妥協はしたくありませんでした。

いざ、転職活動を始めたのですが、『休職中』という事実をどう扱うか?と考えたときに、やはり隠すのは後々のことを思うと良くない、と私は履歴書に記載しました。

その上、給料もアパレルの一般水準よりは高いですから、全部をクリアするであろう企業をどうにか見つけて2社ほど応募しました。

休職中だけど、どの条件もゆずりません。給料も下げません。

そんな我儘で合格するわけも無く、1社は書類落ち、1社は辞退という結果になりました。

ちょっとだけですが動いてみて解ったのは、

②お金のため、と割り切れるかもしれないから

現状の給料と条件は申し分無い。なのに、それよりも悪い条件でわざわざ苦労して転職活動をするということが嫌でした。

とはいえ復職といっても、「本当に戻れるのか」「また同じことを繰り返すのではないか」と不安ばかりでした。

しかし、両方を天秤にかけたときに『一旦復職をして、もう普通に働けるという状態になれば、半年後1年後くらいに転職』というのが現実的だと思いました。

半年~1年というのは、面接官が、

それだけ普通に勤務してる実績があるなら大丈夫ですね。

と思ってくれるところがだいたいそれぐらいかな、と思ったという自分の目安ですが、実際、その時期に面談してもらったエージェントにもそのように言われました。

そして「今は何があってもとりあえす社会に出るしかない、半年や1年だけ、心を無にして、仕事では何も感じずにやろう、と。

現実的に転職や環境が変わることへの不安や苦労があることを思えば、私の場合、復職での壁は最悪な一部の人間だけのこと。

天秤にかけてみたら、復職のほうが少しだけマシというか、我慢ができそうな気がしました。

いざ、復職面談。退職勧告も受けた『話し合い』の場

そして休職から休養、転職活動を経てからの、いよいよ会社と面談の日。

休職からちょうど半年目。店長と、マネージャーと、私の3人で話しました。

半年経ってみて、会社も、私の代わりの人員も補充し終わって、正直どうしても戻って欲しいという感じではありませんでした。

自分のほうがやや劣勢になると思ったので、「今後どんなことがあっても受け入れます、お金のためです、割り切ります」と、自分なりの覚悟を伝えました。

そのくらいの強い気持ちを見せなければ、復職への信頼を得られないと感じていたのです。

しかし会社側も、私が復職するからと特別な配慮はできない、それよりまた身体を壊したら社会復帰が遅れる、などもっともらしい理由を述べながら、

休職中に転職活動もしたのなら、いっそ退職金を出すから転職を考えたらどうだろう。

と言われたのです。普通ならここで心が折れるかもしれませんが

私は絶対に復職してやると思い、YESとは簡単に言わないことを決めていました。

これって退職勧告ですか・・・?私は退職したくないんですけど。

と言うと、『退職勧告』という言葉に頭を抱えたマネージャーは黙り込み、

一旦3人での話し合いに区切りをつけ、ひとまず休憩していたときのことでした。


復職面談。マネージャーから提案されたのは“転勤”だった


短い休憩をしていたときにふとマネージャーが言いました。

miさんにはここより合う店舗があるんだけどなあ。転勤なんて無理か・・・

とつぶやいたマネージャーに対して

別に、それ(転勤)は大丈夫ですけど・・・

と私が答えた瞬間、マネージャーの顔がパッと輝きました。

え?!転勤出来るの?

本来、私は転勤をしない地域社員でした。

しかし、友達も少ない、彼氏もいない、その上両親も亡くなってるとなると、今の地域にこだわる理由が自分の中でも無くなっていたのです。

むしろ転勤の話を受けたほうが、弟家族と家が近くなる。年を取ったらゆくゆくは引っ越したかった地域です。

悪くない話だということは一瞬で判断できました。

「復職=元の職場に戻る」と思い込んでいたので、「転勤」という言葉は想定していませんでした。

会社側にとっても、人員が足りてない店舗に経験者を補充できるのです。

これを機に、地域社員から転勤社員の待遇に切り替えてくれるという提案もあり、給料アップも約束され、私は転勤の提案を受け入れることにしました。

「新しい環境で再スタートを切る」という選択は、むしろ私にとってプラスかもしれない。不思議と気持ちが軽くなったのを覚えています。

大半の人が、仕事以外に優先する人間関係などを持っており、動きたがらないのが普通だと思います。

良くも悪くもそういった強いご縁や思い入れが無かったことで即答できたのが良かったかもしれません。


転勤を受け入れて感じた変化と前向きな気持ち


実際に転勤してみると、最初はやはり苦悩と緊張の連続でした。

現在異動して9ヶ月。

転勤したからすべて解決、とうわけではありません。新しい悩みはたくさん出てきます。


復職と転勤はどちらも大きな決断ですが、私にとっては前に進むためのチャンスでした。結果として転勤という形で試されましたが、それを受け入れたからこそ今の自分があります。

今、休職中で悩んでいる方に伝えたいのは

始めからパーフェクトを探さない。自分の中で、譲れるものと譲れないものを明確にし、少しでもマシなほうをやってみる。

それだけです。

以前の問題は絶体絶命のように感じましたが、違う問題であれば解決できる可能性があるのです。

覚悟をもって、色んな道を試してみてもらえたらな、と思います。

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