休職して、私は「これ」を失いました
「休職してよかった」と言えるまでに、時間がかかりました。
心の回復には確かに必要な時間だったけど、正直、何もかもが“得られた”わけじゃなかった。
むしろ、いくつかの大切なものは静かに、確実に失われていったんです。
今回は、私が休職中に失った5つのものについて、正直に書いてみようと思います。
「休んで正解だった」と思えるようになるまでのリアルな過程が、誰かのヒントになりますように。
① ちゃんと働けるという“信用”
会社や上司、同僚からの「評価」って、声に出して言われることが少ないぶん、変化に気づくのが遅れます。
でも確実に、あのとき私は“信用を失った”と感じました。

また働けなくなるかもしれないからな・・・
ハッキリ言われずとも、そんな空気が伝わってきて、居心地の悪さを感じることもありました。
信用を取り戻すには、思ったより時間がかかる。
それには、きちんと出勤して働くという日々を積み重ねるのは最低限で、
さらには普通の人と同じくらいかそれ以上の結果を継続して出さないと、『休職をした過去があるけど、もう大丈夫そうだ』とは思ってもらえないでしょう。
それは現在の仕事仲間だけではありません。転職をするにしても同じ。
「毎日どうにか働けてる」ということをまず自分自身が実感できるよう頑張り、
そこから赤の他人を納得させるのですから時間はかかって当然です。
② 元店舗のスタッフとの関係
休職をきっかけに、元店舗のスタッフとの関係は静かにフェードアウトしていきました。
店舗のLINEは休職と同時に抜け、そこからは誰とも連絡を取ることは無かったです。
あんなに一緒に働いていたのに、関係が自然消滅していく寂しさ。
結局店舗には戻らないことになりましたが、5年も働き、自分で言うのもですが、後輩には良くして来たこともたくさんありました。
でも、誰一人にも何も言われず、私は完全に『どう接していいのかわからない腫物』だったと思います。
今まで店舗で退職者が出たときには私も欠かさず贈答品のお金を出したり、色紙の絵を担当したりしてきましたが、
いざ自分が異動するときに何も無かった、というのはものすごく悲しかったです。
私がみんなにしてきたことは何も伝わってなかった。そう思い、さらに自己肯定感が下がる…そんな悪循環でした。
③ 稼げたはずのお金
休職によって、収入面では大きな損失がありました。
傷病手当金があるとはいえ、実際に受け取れるまでに時間もかかるし、
給料の約3分の2ですから、勿論足りません。
何より、本来なら働いて得られていた「売上成績」「ボーナス」「昇給チャンス」がすべてゼロになったのは痛かったです。
単純計算で、私は9ヶ月休職をしていたので90万、それと、ボーナスは休職中はゼロです。
結局100万円以上機会損失と、毎月足りない生活費。
働いてる前提で家賃の高いところに住んでいますし、毎月の病院代や交通費もかかります。



人によると思いますが、私は9ヶ月で(傷病手当以外で)約50万円自己資金を崩しました。
④ 有給(出勤日数が満たなかった)
「せめて有給だけは…」と思っていたけれど、それすら叶わなかった。
基準日までの出勤が足りなかったという理由で、有給ゼロ。
ルールだから仕方ないとは思いつつ、働く意欲が湧いてきた頃に「もう休めない」と言われるようなもの。
地味に、けっこう精神的ダメージが大きかったです。
復職してから私にあった有給は4日程度で、貴重な前年の有休の残りだけです。
ですから体調不良で休むときは、出れるようなら振替出勤をさせてもらいましたが、
やっぱりそのせいでどこかで振替をするというほどの無理がきかないことのほうが多いので、
仕方無く給料から引いて欠勤にしてもらうことが多かったです。
働き出して1年近く経つ今でも、実は来年もう1年有休がもらえません。
有休というのが前年の8割出勤していることで与えられるものらしく、
私はほんの数日満たなかったために、また1年間有休ゼロです・・・



そんな中、体調不良のときに有休を使えたり、長期の有休を取っているみんなが羨ましくてたまりません。
このへんも計算して復帰日を決めたら良かったのかな・・・
今となれば後悔もしてますが、やはり体調や準備もそれなりに必要だったので仕方ない。
制度は制度。
でも、その“線引き”に救われない人もいるということ、もっと知られてほしいと思いました。
⑤ 美貌(太った)
これはちょっと笑い話に聞こえるかもしれないけど、私にとっては結構深刻でした。
休職中は動かないし、気晴らしといえば食べること。
しかもメンタルが不安定な時期はむくみもひどくて、顔パンパン。服も入らない。
仕事中は何だかんだ立ち仕事で動いてたから体型を保てていたんだと実感しました。
休職中で約7キロも太ってしまい、
休職前に着ていた服がほとんど入らず、デニムが履けなくなったのは本当にショックです・・・
今は今の体型で着れるものに買い替えて着ていますが、
やっぱりオシャレの幅が狭くなったのは毎日ガッカリしています。
これも休職による副作用のひとつですねw
それでも、休職してよかったと思う理由
こうして書き出してみると、「なんでこんなに色々失わなきゃいけなかったんだろう」と思う部分もあります。
でも、それでも「休職しなければよかった」とは思いません。
完全に壊れる寸前で、止まれたから。
今またこうして、自分の言葉で整理できるようになったから。
「全部を持って働ける人」なんて、そんなにいない。
だけど、休んだ自分を受け入れて、いつまでもそこに居ないで切り替えて少しでも進むこと。
その先には「ほぼ」元通りになっているだってもあるのです。
今の私でいうなら収入と仕事の能力かな・・・
有休と体型はもう1年かけて取り戻そうか、というところです。
まとめ
休職には「得るもの」と「失うもの」があります。
でも、“失ったもの”の中には、後で新しい形で取り戻せるものもある。
という私も、まだ復職10ヶ月目。奮闘中の身です。
今はまだ途中でも、この記録が「私もそうだった」と思える誰かの力になりますように。
そして同じ境遇にある方々、一緒に頑張りましょう!







